2011年8月21日日曜日

日本人にとってコワーキングは働き方の原点回帰なんじゃないか

昨日8月20日、神戸にあるカフーツさんで開催されたCoworking(コワーキング)の体験イベント、湊川神社納涼ビアガーデン+Jelly@カフーツVol.7 (コワーキング体験イベント)に行ってきました。そこで色々感じた事など。

最近「シェア」という言葉をあちこちで見かけ、シェアオフィスやレンタルオフィスといった方法で、フリーランスの方を中心に自宅以外の集中しやすい場所を安く確保して仕事を行う、というものがありますが、Coworking(コワーキング)はそれらとはちょっと違います。
それを理解するためにも、まず周辺のキーワードについてさらっとおさらい。

■ ノマド(nomado)
「遊牧民」という意味で、固定の仕事場を持たない働き方。
ノートPCとモバイルルータなどを持って、特定のオフィスを持たず転々とカフェなどを移動しながら仕事をするため美味しいコーヒーやスイーツを飲みながら仕事ができるけど、あまり長時間居るとラテでお腹がタプタプになるかスイーツで自分がすくすく育っちゃうというデメリットがある。
実現させるためにはクラウド活用が必至。

■ シェアオフィス(Share Office)
個人事業主にも会議室やオフィスやプリンタやプロジェクタなどが必要になる事も。しかしオフィスを構えるのはお金がかかるため、大きい1フロアを細かく区切って一人分の家賃を安くする、みたいなもの。契約漫画喫茶みたいな感じか?違うか。

■ コワーキング(Coworking)
特定のオフィススペースでそれぞれ独立した仕事を行う。という所まではシェアオフィスに近いけど、それぞれのワークスペースにパーティションは無く、個室化もされておらずオープンスペースになっているので参加者同士で交流して情報交換や仕事でのコラボレーションも生まれる、というもの。(なので誰にも話しかけられたくない、とか黙々と仕事したい時には向かない)
1ヶ月数万で利用できたり、契約形態の敷居がシェアオフィスよりも低い。あとコーヒーがタダで飲めるとか書籍もみんなでシェアしたりとか、ふつふつと増えて来ているコワーキングスペース毎に特徴もあるようです。

■ ジェリー(Jelly)
Coworkingの体験イベント的なもの。元々コワーキングよりこっちの方が先に誕生したとか。一人もくもくととカフェで仕事してたノマドワーカーが集まり、ジェリーを開催する度に場所を変えてみるとか。「今日は○○さん家で仕事しよう」とか「今日はドコソコのカフェの2階を貸し切ってやろう」とか。


コワーキング体験イベント「ジェリー」に参加して、その後の納涼会でビールのみながら18時から22時までみんなでワイワイ喋りながら思った事とか。


私が思うコワーキングやジェリーが注目される3つの理由

1つは
フリーランスを孤独から救ってもっと面白い仕事ができる!
昨今の不安定な経済状況の中、目的を持ってフリーランスになる人も居れば意図せずフリーランスになる方も居る。その背景はそれぞれ違えど、自分の居る業界だとWebデザイナー、マークアップエンジニア、イラストレータ、デザイナー、システムエンジニア、プログラマ、ディレクターなどなど、例えば「個人事業主」としてやっていこうとした時、仕事を取ってくるとかも勿論あるけど、案外強敵なのが「孤独」だそうだ。

さまざまな懇親会もあるけど、それはお酒飲みながら情報交換して名刺交換をする場。それ以外で「集まる場」というのもなかなか無く、しかし交流をしないと仕事の幅も広がらないしモチベーションも維持しづらくなる。

レンタルオフィスやシェアオフィスは、そこで主となる目的は「場所」であって「交流」じゃない。コワーキングの場合は「交流」を前提とした仕事スペースなので、名刺交換も情報交換も異業種交流も遊びもコラボレーションも乾杯もできるし、いろんな人との交流を通じて自分の視野や世界も広がる可能性はぐっと高くなるはず。


2つめは
フリーランスだけじゃなくサラリーマンも大歓迎!
コワーキングの料金形態は回数券や一ヶ月利用料など。で、「いつ来てもいいよ」的になってたりするのでサラリーマンにはちょっと参加しづらいかもしれないけど、それをクリアするためのナイトプランというのを用意されているコワーキングスペースもあったりする。(PaxCoworking

通常の業務時間内は会社で仕事をし、夜はコワーキングで交流しつつ仕事したり情報収集する、というのもアリなのかな。

さらにジェリーの場合は体験イベント的に実施されるので、フリーランスだけじゃなく企業に属してて「もっと交流したい!」とか「仕事しながら情報交換したい!」という人も分け隔てなく参加できる。

これまた「企業に属してる人」と「フリーランス」が集まると交換される情報が多様化するのでより面白い事になる。

3つめ。
日本人にとってコワーキングは働き方の原点回帰なんじゃないか
これはジェリーの後の納涼会中で歴史のお話になった時に気付いた事。私は歴史大の苦手ですが・・。
日本人は元々農耕民族であり、職人の世界ではそれぞれが個人事業主(ある意味フリーランス)として業をしていた。それに対して、組織に属し主従関係の元で働く「サラリーマン」は侍ということになる。そしてフリーランス職人同士のコラボレーションによって世界を驚かせる数多くの発明が生まれた。という感じに(ものすごく)雑だなおい。

で、企業に勤め、なかなか思い通りに行かない会社や社会に鬱憤を募らせつつ、先行きの不安と麦とホップの誘惑と睡魔と戦いながらも安定した収入を得る。というのが一体何なのかよくわかんなくなって来てる今。
それぞれが小規模ながらも、高いモチベーションと個々の技術力を持ち、独立した仕事をしているが、時には協同で仕事をする事もあるかもしれない。ある意味「トキワ荘」のような場になる可能性が、コワーキングやジェリーにあるような気がします。
そういう働き方って、多分昔は当たり前にやってたんじゃないかなと。
しかも今は企業に属しながらも参加できる、というのも面白いですね。



全国のコワーキングスペース紹介
【神戸】Cahootz(カフーツ)
【大阪】JUSO CoWorking(じゅうそう コワーキング)
【京都】小脇(こわき)
【東京】PAX Coworking(パックス コワーキング)